ZOZO研究所に新たに加わったリサーチャーの論文が、数学の国際メジャージャーナルでベスト論文に選ばれました!

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先日、world scientific社から出版される数学の国際メジャージャーナル『Journal of Topology and Analysis』で、ZOZO研究所渡邊(わたなべ)の論文が、ベスト論文に選ばれました!
今回は以下4つの論文が選ばれました。

・ Amenable groups and smooth topology of 4-manifolds
  Michael Freedman, Larry Guth, Emmy Murphy

・ Intersection numbers in the curve complex via subsurface projections
  Yohsuke Watanabe

・ Volumes of balls in Riemannian manifolds and Uryson width
  Larry Guth

・ The Farrell-Jones conjecture for hyperbolic and CAT(0)-groups revisited
  Daniel Kasprowski, Henrik Rüping

渡邊のプロフィール

渡邊 陽介。1985年日本生まれ。日本の高校を卒業後渡米。University of California, Los Angeles数学科卒業。UCLA卒業後、同校大学院コース履修。University of Utah数学科 幾何・トポロジー研究室へ進学。同校博士課程修了。Brown University 数学科研究員。University of Hawaii 数学科助教授着任。2018年7月ZOZOテクノロジーズへの転職を機に、日本帰国。ZOZO研究所青山所属。

インタビューを行いました

まず、受賞した論文の内容はどのようなものでしょうか?

私の専門は、数学の幾何・トポロジーと呼ばれる分野で、物の形を理解する学問です。例えば「宇宙は丸いのか、それとも尖っているのか」といったことを、数学的な面から解明します。近年では、データサイエンスなどの機械学習分野で応用され、データの形を理解するための手法として用いられています。

今回の論文では、主に2つの定理を確立しました。おそらく受賞理由は、少し堅苦しい言い方ですが、「低次元多様体のカーブコンプレックス領域における、Masur-Minksy理論の拡張と実数化への貢献と、その幾何での線型測地線アルゴリズム理論の提唱と確立」という研究業績でしょう。

もしこの論文にご興味をお持ちいただけましたら、こちらをご覧ください。

数学の研究から、ファッションテックという領域へ来て、今後ここでしたいことはなんですか?

米国で15年過ごした中で1番得たものは、自分がリスペクトを得たいコミュニティーが見つかったことでした。そのコミュニティーとは、世界のフロントラインで活躍する数学者たちでした。

正直若い頃は、彼らからのリスペクトにしか興味がありませんでした。私も本気で世界一の数学者になりたいと思い、10年ほど一心不乱に挑戦しましたが、その夢は自分にはあまりにも大きすぎました。そうと分かっていながら自分に嘘をついてやり続けるタイプではないので、数学者を引退することは自然でした。

今回、私が数学者時代に書いた論文がこのような評価を受けたことは嬉しいですが、同じく受賞者であるLarry Guth教授(Massachusetts Institute of Technology所属)は、4つのベスト論文の中の2つの著者です。「やはりレベルが違うな」と言うのが正直なところです。しかし、Guth教授や数学最高権威フィールズ賞受賞者のMichael Freedman教授(Microsoft Station Q所属)の論文と共に私の論文が選ばれたことは、私の10年の挑戦も完全な失敗ではなかったんだなと思います。

自分自身この論文で、自分の仕事が世界的に認知された事は感じていましたが、今回の評価によりそれが確信になりました。とはいえ、私はもうすでに数学者を引退しております。過去の話です。

今は、数学の次に好きだったファッションという分野に身を置き、その次に好きだった人工知能を活用できる環境にいます。ただ、今でも世界の最前線にいる数学者にはリスペクトがある。それは今後も揺るがない。そして自分もそこでやってきた。だからこそ、そこに恥じぬよう今自分のプレーグランドであるファッションとテクノロジー業界で、もう一度で世界のフロントラインにいきたいと思っています。

でも、今度は1人では行きません。私は数学者時代、全ての論文を1人で書きました。それが世界に自分を証明することだと思っていました。今回の受賞は自分としては過去の業績事例なので口外していませんでしたが、代表取締役CINOの金山さんがその情報を聞き、企業として発信することを提案してくれたため、公開することにしました。また、同僚も喜んでくれました。僕にはいま仲間がいるんだなと思いました。

なので、今度は新しくできたZOZOテクノロジーズの仲間ともに、世界にいきたいです。まずは研究所の立ち上げをきちんと行います。そして、世界レベルの研究業績を持った研究者が自ずと来たい、と思うような研究所にしたいです。事実、世界レベルの研究所とはかなりの差がありますし、彼らはより早いスピードで進んでいます。自分がここにいる間、研究者としてできることをここに捧げます。

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最後に、私以外の受賞者Michael Freedman(Microsoft Station Q at UC Santa Barbara), Larry Guth(MIT), Emmy Murphy(Northwestern University), Daniel Kasprowski(University of Bonn), Henrik Rüping(University of Bonn)教授たちに祝辞をします。

お世話になった方に感謝します。UCLAで数学の基礎を教えてくれたDavid Gieseker教授、University of Utahでより専門分野を教えてくれたKen Bromberg教授、Mladen Bestvina教授、Brown UniversityでメンターだったJeff Brock教授(現Yale University 教授)。そしてUniversity of Hawaiiでの教え子たちに感謝します。

Lastly, I would like to thank T.Watanabe, the first and the best professor of my life, without whom nothing was possible. Thank you for believing in me.

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